ポッさんの読書散歩

読書はきっかけ。そして動きだす。日常とつながる読書日記。ときどき雑記。

誰にも言えない秘密。【小説】誰か/宮部みゆき

【目次】



みんな、秘密を抱えている。


人には、今まで生きてきた過去がある。そしてそれは、生きている限り、常に作られ続けている。この瞬間にも。

知られたくない過去、というものを持つ人も多いのではないかと思う。大抵の人はそうかもしれない。と、勝手に思っている。少なくとも僕はそうだ。

基本的にはポジティブバカだし、忘れっぽい性格なのだけれど、そういった過去というのは、なかなか消え去ってはくれない。まあ、消してはいけないとも思うのだけれども。

死後に過去は暴かれるか。


墓場まで持って行く。なんて言葉をよく聞いたりするけれども、たまに考える。その後。死んだ後に、その知られたくない過去が暴かれるなんてことはあるのだろうか?

当の本人にしてみれば、そこで終わりなのだろうけれど、遺された人はどうか。迷惑をかけないとも言い切れない。

そこまで深い秘密を抱えているわけではないけれども、たまにそういうことを考える。

先日、宮部みゆきさんの『誰か』という小説を読んでいた時に、それがまた頭を過ぎった。

このお話では、ある日ひき逃げされて、命を落としてしまった人の過去を探っていく中で、その被害者やその周囲の人々の過去や現在の秘密が徐々に露わになっていく。

人は一人では生きていないということが、よく分かる。沢山の人達との関わりがあり、その過去が今の自分を作り上げている。どんなに消し去りたい過去であろうとも、やはり忘れてはいけない。

まあ、死後に僕の過去を知りたいなどと思う人など、いないだろうけれど、このお話のように、過去を調べる必要性がある状況になる可能性も、なきにしもあらずだ。

どう死ぬか。いや。


ということは、過去が消せないのであれば、どう死ぬかが大事になってくる。

ひき逃げだけはなんとしても避けねばならない。それだけではないけれど。

遺書を書いてみようかと考えたこともあるけれど、なんだか面倒になってやめた過去もある。笑


なんて。なにを考えているんだか。


どう死ぬかを考えるなら、これからどう生きるかを考えたほうが、まだマシな気がする。まあ、生きることと死ぬことは同義であるようにも思うけれど。

なんにしても、少しくらい役に立つ人間になれるように、どう生きていくかを考えることが大切なのか。

とは言っても、世の中の役に立ちたいなどとは全く思わない。そういう冷やりとした人間だ。そこは諦めている。結果として役に立ったのなら、嬉しい、というくらいのものだ。

ただ、僕のすぐ隣りにいる人の役には立ちたい。とは強く思う。そして、その人の役に立つ何かを遺してから死にたい。そうすればいつ死んでも安心だ。

死にたきゃないが。

辛い過去だけ遺して、勝手にこの世を去るのは忍びない。

誰も自分の過去になど興味はない。


悩んでる暇はない。躊躇せず、歩を進めなくてはならない。進んでから考えればいい。

みんな、重々しい過去を背負いながら、今を生きているのだろうな。そう思うと、少し気持ちは前を向く。道行く人達の過去などに興味はないけれど。あ。そうか。つまり僕の過去にも誰も興味などないのだ。


それでよい。




宮部みゆきさんの、この杉村三郎シリーズは初めて読んだけれど、面白かった。人物の描写がとても丁寧。物語の展開もテンポも好み。

近々また、杉村三郎に会う日があると思う。


僕も秘密を抱えている。


ポ。