ポッさんの読書散歩

読書はきっかけ。そして動きだす。日常とつながる読書日記。ときどき雑記。

『インシテミル』米澤穂信【ミステリー小説】クローズドサークル。そして解放。


雨は上がったけれど、まだ太陽は見えない薄曇りの空。


そんな今日の空模様は、今回読んだ米澤穂信さんの『インシテミル』の読後感をよく表しているように思う。あくまでも僕の感想だけれども。


つまりなんというか、スッキリしていないのだ。


そもそも、米澤穂信さんの小説を読んでスッキリ爽快なんてことはあまりないんだけれど、そういうことではなく。


モヤモヤを感じられないというモヤモヤ。逆に言えば、スッキリしすぎているというか。んー自分でも何を言っているのか分からない。笑


やはり先入観なのか、米澤穂信さんの小説はこんな感じだ、という勝手なイメージが自分の中に作られてしまっているみたいだ。


同じ作家さんの小説を続けて読むというのも、一長一短なのかも知れない。いいことばかりでもなさそうだ。


全作品読破。挫折しそうである。まあ、そもそも僕には難しいことであったのは自覚していたけれど。短のほうに気づいてしまうと、継続するのには、ますます強い意志が必要になる。


不思議なことに、自分で決めたはずのルールが、多からず読んで下さる方がいるということに対する意識によって、そのルールに従わされているような気になっていたように思う。


という、いざという時の為の逃げ道(要は言い訳)を作っておきつつ、一応前へ歩を進める。そうなのだ。このような逃げ道があるから、人は安心して暮らせるのかもしれない。

クローズドサークル


その逃げ道がない状況。ミステリーでは定番であるらしいその設定は、『クローズドサークル』と呼ばれている。らしい。


この間の『リドルストーリー』に引き続き、また一つ勉強になった。


そして、まさにこの米澤穂信さんの『インシテミル』も、クローズドサークルミステリーである。



閉鎖された空間の中に閉じ込められた人間同士が、ああしたりこうしたり。ああ悍ましい。とてもじゃないが、目を背けたくなる。というほどではなかった。


まあそういう意味では軽め、というか読みやすく書かれていた。その辺りは、米澤穂信さんらしいといえば、そうかもしれない。


素直に楽しめる小説ではあったのだ。この『インシテミル』は、映画化されているけれども、それは頷けるという感じ。観てみたいとも思う。


でも、確かに楽しめはしたのだけれど、物足りなさがあったし、少し雑な感じもした。


登場人物たちに、特に魅力を感じる人間がいなかったというところが、それに当たるのかなと思う。


まあ、謎解きを楽しむ純粋なミステリーに、そこまで人物描写の精細さは必要ないのかもしれないけれど、米澤穂信さんの小説には、僕はそれを求めていたような気がする。


うだうだと書いてきたけれども、読みやすいクローズドサークルミステリー小説としては、十分オススメ。なんて、ミステリー初心者が偉そうに言う。

そして、ついに


ミステリー初心者か。せめて中級者くらいにはなりたいな、なんて思い始めている自分の気持ちをそろそろ隠せなくなってきている。


別に隠していたわけでもないんだけれど。笑


なんかムクムクと湧いてきた。結局その勢いで本屋さんへ行き、僕は一冊の小説を購入した。


アガサクリスティーの『そして誰もいなくなった』。


ああ、買ってしまった。僕はこれにて、米澤穂信全作品読破という目標を、少しの間お休みする。


つまりは、パクチーの収穫が先になりそうだということである。なんのこっちゃと思ったら、これを読んでもらうと分かる↓


www.digbooklog.com


まあ。いいか。


朝に書き始めたブログだったけれど、いつの間にか夜になってしまった。単に日中は仕事をしていただけなのだが、最初に書いた薄曇りの空模様は、今はスッカリ雲も消え、綺麗に星も見える。


米澤穂信月間という、抑圧から解放された僕の心のようだ。何を言ってるのか。


ああ。なんだか自分しか居ないな、このブログ。


そして。。





いや。僕はいなくならない。笑